外は雨だ、しとしとなんて可愛らしいものじゃなくてバケツをひっくり返したみたいな、そんな酷い音が俺の部屋の中まで響いている。ざーざー、バタバタ。部屋の前にあるでかい木の葉に当たって音が大きくなる。部屋の中も湿ってきていて外にも出る気にならない。そんななか俺の部屋のソファでくつろいでるのがコイツだ、だ。相変わらずの中途半端な長い黒髪をソファに無造作に投げ捨てて、目を瞑って静かに息をしている。……あぁもう男の部屋でそんなことするな俺のが我慢できなくなっちまうだろぉ!!とか、少し考えたりした気がする気のせいだ気のせいだ俺はそんな野蛮な人間じゃねぇんだぞかっさくぞまじで!!あぁこんな男の欲と戦ってたらが起きちまうだろ!!それは勘弁して!!凄い気持ちよさそうに寝てんだよ起こしたくないんだよ!!




「ねぇスクアーロ。」
「うをぅあ!!どどどど、どーしたんだよ!!」





寝てると思っていたの口がいきなり開いた。起こしたくない起こしたくないと思っていても結局はこうなるのか、一気に重たくなった頭を手で支える。がっくん、って落ちそうなくらい頭が重かったコレは後悔?それともじせきがあたまのうえにのってるのかよう゛お゛お゛い!!重ェぞ!!俺には重たすぎて敵わねぇじぶんの後悔って重いんだな!!




「……世界は後何秒で終わると思う?」
「は?」
「世界はね、あと一秒で終わるんだよ。」





そう言われて俺は数えた。一秒、二秒…三秒。四秒…?いつまで経っても終わる訳のない世界。コイツは俺に何を言おうとしたんだろうか。そうだ、何秒経ったってこの世界が爆発するわけでもない、にも俺にも予知なんて出来るわけがない。終わりなんてあるはずがない。そうだ、終わる終わるなんて叫ぶのは馬鹿な人間がすることだ。ほらこうして俺が考えてる間にも時間は刻々と過ぎて行くし一秒どころが一分経っても一時間経っても世界が無くなることはない。




「終わらねぇじゃん」
「ばかだね、本気で数えたの?」
「わ…悪ぃかよ!!」
「ううん、純粋で良いねって話。」





はぁ?何が言いたいんだこいつぁ。なんか俺小馬鹿にされたみたいでちょっと腹立つ、腹立つけど、は時に残酷なくらい大人びた考えをする。それは俺の考えでは及ばない世界にある答えだ。時に残虐で時に優しいその考え方が好きだ。俺達ヴァリアー…いや男という生物の生き方にはない考えなのかも知れない。じとっとした目でを見たらは相変わらず天井を見たまま静かに目を開いていた。瞬きもしない、瞳も動かさない。人形のようにじぃっと天井を見続けている。ふ、とこちらの目線に気が付いたように俺と目を合わせる。そしてゆっくり微笑む。綺麗だ…。思わず口から柄でもない言葉が出たらは一瞬だけビックリしたみたいだけどすぐに「ありがとう」て蚊が鳴くような声で微笑みながら。そしてすぐに天井に目線をあわせた。これが一番落ち着くんだろうか。俺はテーブルに置いてあった覚めた珈琲を啜った。不味い。








「世界はね、もう終わっちゃうんだよスクアーロ。だって世界には沢山の兵器が有るんだよ?ゴーラみたいなのも有ればただのミサイルだって、拳銃だってダイナマイトだって…刀だって針でさえも人を傷つける物になるんだ。もしかしたらヴァリアーにも、ボンゴレにもあるかも知れない核兵器が世界を滅ぼすかも知れない。人間は愚かになりすぎたんだよスクアーロ。核の保有国が世界に何カ所有って世界にいくつ核があって地球はどれくらいの核兵器で消えて無くなると思う?各国のボスの気が狂えば世界は一瞬にしてなくなる。跡形もなくね。宇宙の塵になるんだ。核シェルターなんて言う下らない物作って儲かってる会社もあるけどそれはただの気休めにしかならない。いくらシェルターに水や食料を詰めても生きながらえるのはたったの2週間。それまでに地上の放射能が無くなるとは思えないし地上に出られる保証もない。密閉された空間で鉛中毒になりながら苦しんで死ぬくらいならいっそ全てと一緒になくなりたい、そんなものじゃないのかな。」






機械のように語るの体が急に小さく見えた。コイツのちっせぇ頭の中はまるで小宇宙だな、沢山の知識を詰め込んで沢山の新しい考えを生み出す。時には残虐になる。全てを生んだ母のような奴だな。「スクアーロどう思う?私の考え方は何かおかしいかな?」おかしい分けないだろ。俺には理解できない規模の話だって事くらいしかいまだに分かってねぇ。大体兵器だらけの世界で兵器に対する恐怖をこうも淡々と語られちゃあ明日生きるのだって恐くなるだろ。人間はな、嫌なモンを眼中から、思考から外した考えをしなきゃ生きて行けねぇんだよ。じゃなきゃジャッポーネにあんな馬鹿な顔した(ガングロ?ギャル?ヤマンバメイクって何だ?)ガキだっていなくなるだろ。現実を素直に見つめるなんて難しいことなんだよ。、お前は賢いよな。







「スクアーロ、私生きるのが恐いよ。」


一秒で終わる世界なんてキライだよ。」


「恐いの、恐くて恐くてたまらない…。」
























大丈夫だ、俺とお前の世界は一秒なんかじゃ終わりはしねぇよ。


そういいながら俺はお前の唇にキスをした。雨の日の午後。







で 終 わ る 世 界 。