それは
ある
朝食時の出来事
さぁ今日も楽しみな朝ご飯の時間だ!久しぶりにちゃんがご飯を作ってくれるんだよ彼女のご飯凄く美味しいからね、もうおじさん朝からハァハァしちゃう!!お箸とか茶碗とかが綺麗に並べられたちゃぶ台を3人で囲んで(私と曽良君とちゃんの3人ね)ちゃんが一人一人にお櫃からご飯をよそっている、ほかほかと湯気を上げる白いご飯はとても美味しそうでお腹の虫をぐぅうと刺激する。(おなかすいたー!!)コトンと全員分の茶碗をおいて、手を合わせる。「いただきます」白いご飯、御味噌汁、それにお漬物と干物を焼いたのまでそろっている。なんてバランスが良い食事なんだ!(さすがちゃん!おじさんお嫁に欲しいよ!)御味噌汁をズズッと啜ってほんわりと(いやうっとりと?)体が温まるのを感じる。美味しい、この絶妙な味噌加減がたまらないよ!!と、ちゃんに言おうとして刹那……。ばしゃっという液体が零れた時みたいな音がした。

「不味いですよ。」
「……。」

あのちゃんの作ったほかほかでうっとりしてほんわりしたおいしい味噌汁にケチをつけたうえにあの鬼弟子・河合曽良がそれをあろう事かちゃん本人にぶっかけたなんて…!!何をしているんだあの鬼弟子は!!ガタンと格好良く立ち上がろうとしたら膝をちゃぶ台で打った(…)これじゃ只の莫迦なオッサンじゃないか!(悔しいからその体勢から曽良君に文句言ってやる)

「なっ…何をしているんだ曽良君!!ちゃんが可哀想だろ!!」
「……五月蝿いですよ。」
「このぉ!莫迦弟子!スーパーミラクル芭蕉アタックを喰らってみろぉお!!」
「海に沈めましょうか…」

ヒィィイイイ!!目がマジだぁぁああ!(情けなくも一時後退)くっそう…スーパーミラクル芭蕉アタックを喰らって曽良君が「ははぁ芭蕉様恐れ入りましたぁ」とか言いながら土下座する予定だったのに…!!そんなやりとりをしている間もちゃんは曽良君の反対方向に俯いてカタカタと震えている。しょ、小動物みたいだ!おじさん萌えちゃう!ハァハァ(そんなこと言ってる場合じゃないですよ)ギリギリと歯ぎしりしながら曽良君の方を見たら何気なく白いほかほかのご飯を漬物と一緒に食べている。ポリポリなんていう平和的な音だけがきこえて何となく気が抜ける(そしてお腹空いた)でもちゃんをそのままにするわけにも行かないからお風呂場に連れていこうとしてちゃんに方へ近寄ったら(何か飛んできた)ゴッツィン!と何とも素敵な音がして私は畳と熱烈キッス。イヤン初めてだったのにぃ!!ごとっと私の顔の横に落ちてきたのは白いご飯の入っていた曽良君の茶碗。でも中身が全くない。まさか!とおもってちゃんの方を見たら案の定白いご飯まで被っていた!!

「そっ…曽良ぁぁぁぁあああああ!!」
「、この漬物はどうしたんですか?」
「…となりのおばさんが、おすそ分けって…」
「どうりで、美味しいわけです。」

僕の事を無視して曽良君はちゃんに漬物の出所を聞いてそれがちゃんの物ではないと知った途端(心の底から)幸せそうな顔をして漬物だけを頬張っている。こっ、こいつ…!!ちゃんは俯いたままで顔を上げないし肩は震えてるし息づかいは荒いし…、これはお灸を、お灸を据えなければ!!

「そっ、ぎゃぁぁぁあああああ!!」
「呼び捨てにしないで下さい、汚らわしい。」

曽良君十八番の断罪チョップを鳩尾にクリティカルヒットさせてしまって畳の上をのたうち回ってしまう(なさけないおっさんだな!)のたうち回ったついでにちゃんの顔の真下に来てしまった!うほぉうちゃん大丈夫かい?その泣き顔も私が曽良君を倒した暁には幸せな顔に変わるんだね!!……うん?

「ハァ…曽良さんが掛けてくれた御味噌汁…あぁ」
「へ?…ちゃん?」
「曽良さんもっと…もっと罵って下さい!!ハァハァ…!」

なんですとぉおおおお!!!(松尾芭ショック!!)なんだってちゃん…君は生粋のマゾヒストだったのか!?(おじさんちょっとショックだよ至ってフツーの子だと思ってたのに…!でもそんな君も好きだ!)でも…顔をほんのり赤く染めてうっとりとした焦点の合ってない目で、そして…ホラ…、御味噌汁がポタポタと肌を滑って畳に落ちてるのとか、よ…妖艶…!(芭蕉さんときめいちゃったよ!)勢い余って(というか本能的に?)ちゃんを抱きしめようと両腕を伸ばしたら、横から伸びてきた曽良君の手よってに変な方向に曲げられたあぎゃぁっぁああああ!!(お、折れてないよね、骨折したらどうするんだよばかぁああ!)

「僕のに触れようとしないで下さい、むしろ近づかないで下さい」
「そ、曽良さん…、」
「、僕はお腹がすきました」
「は、はい…作り直します、から…!」
「いいえ、もう我慢が出来ないのでそのまま食べます」

どさっとちゃんの上に曽良君がのしかかって両手首を畳に力任せに縫いつける。(こ、この展開はもしかして…!)あああ…アダルトな香りがする!つか曽良君、最終的にそうやって食べるんなら最初からしなきゃ良いじゃないか!!(両腕を振り上げようとしたら腕がプランプランしてる…、骨は何処に行った!)曽良君はそんな私を一蹴して(そのまま台所の方へ飛んできてしまった非力松尾!)ちゃんの肌の上に舌を這わせて味噌汁を味わっている。ピクンピクンと反応して悦がっているいるちゃんが暗くなる視界の中で、見えてしまった…(松尾芭蕉4●歳にして失恋)






(拍手リク。Mな描写が出来なくて残念な結果に…2007.05.13)