ひょうたん島の森のなかの大きな木で一人煙草をふやかす貴方、煙が貴方を包んで今にも消えてしまいそうで。なんてきれいなんだろう。何度見てもきれいな人…こんな人初めてだ。懐からマシンガンを出して撃つ。ルパンも次元も真っ青な射撃の名人。もっとも貴方は人を撃たないからルパンだって恐がりはしないさ。サンデー先生のお手伝いでひょうたん島にきて活火山の影響で海に流されて(でも島が流れるって本当にあることなんだ、島は浮かぶ物じゃないと思ってたのに。)飛行機からコウモリ傘で落ちてきた貴方にあって、海賊にもあって(今でもどこかの海を泳いでるのかな?また会えたら良いな、愉快な海賊…ぷふっ。)キッドくんともともだちになって、砂漠からも抜け出して、これだけの長い間あなたの横にいられるだけで幸せだと感じた時間がたくさんあった。今だって幸せ。木の上で煙に塗れるあなたを木の下で考えられる。そばには誰もいないあたしとあなただけ。吸い込む息も、煙草の香りもいとおしい。胸が苦しい、幸せすぎて苦しい…あたしは今世界で一番幸せなのかもしれない。人魚姫が王子を一目見ようと船に乗り込んだ気分、視界に移る王子様、幸せを胸一杯に詰め込む人魚姫。その後すぐに王子様の横にいるお后様を見て悲しみに溺れる人魚姫、可哀想な人魚姫、でも胸には幸せがやっぱり詰まっていて、結局王子様のタメだけじゃなくて自分のために死んじゃった。幸せに溺れたままが良かった、殺すくらいなら…、死ぬなら今がいい、幸せに浸りながら死んでみたい。そんな、悲劇のヒロインみたいだけど体に幸せを詰め込んで泡になった人魚姫みたいにわたしもなりたい。




、もう子供は寝る時間だぜ。」
「いいの、あたし子供じゃないもん」
「呆れた。サンデーさんも心配してるんじゃねぇか?」
「…いいの。あたししっかりしてるから。」
「仕方ねぇな勝手にしとけ。」
「ぅん、ありがとう」




うえから投げられた(いや落とされた?)あなたの膝掛。タバコの匂いと火薬の匂いが染み付いている。心地いい、このかおり、あたしだいすきなの。初めてあったときから好きだったの。ぶっきらぼうの癖に優しくて、何事にも動じないように見えて実は臆病なの。それを精一杯、テケ君達の前では見せないようにしてる、クールな大人。大人の世界を一番知っている貴方、逃げ続ける貴方、それを見守っているのはあたしが良いな。
ねぇ、あたしサンデー先生みたいに大人の女でもないし体のラインだって…あんまり言いたくないけど凹凸ないし(いま少し後悔したやっぱり言うんじゃなかった見窄らしい…)。シェラザード姫みたいに美しくもなきゃ凛ともしてないの。そんなあたしでもあなたはそばにおいてくれるのだろうか。その答えを聞きたい、でもできるなら今のままがいい。矛盾、いいよあたしはあなたがすき、いつか面と向かっていえるように、そして貴方の横にいることにふさわしくなれるように、もっともっと頑張ろう。何を頑張るかなんて明確に分からないけど、これはきっと愛の試練、あたしに降された神様からの試練なのだ。



。 葉 言 お 
しあわせだー、とか。ふこうだー、とか。決めるのはあたしであって他人じゃないもの。
生きる喜びを知れただけでも進歩。